NHK BShi「新証言・伝説のタイトルマッチ〜1975 アリ VS フレイジャー〜」

「蝶のように舞い、蜂のように刺す」と呼ばれたアリと、最大のライバル・フレイジャー。不世出の2人のボクサーはかつて互いを認め合う親友だった。公民権運動のうねりの中ブラック・イスラムに目覚め、ベトナム戦争の兵役を忌避しタイトルを剥奪されたアリを、物心ともに支えたのがフレイジャーだった。しかし反戦の気運のなか名誉回復されたアリは、突如としてフレイジャーへの態度を急変させる。「奴は敵である白人に黒人を売り渡したアンクル・トムだ」と中傷したのだ。

二人の憎悪は世論を二分しながら燃え上がり、ついにマニラでの決戦の日を迎える。14ラウンドに及ぶ死闘の果てに真の王者となったのはアリだった。世紀の対決は2人の人生を、そして世界をどう変えたのか。熱い闘いの舞台裏を追いながら、スポーツとは、人間とは何かを考える。

モハメド・アリジョー・フレイジャーがかつて親友だったこと。
フレイジャーが本来の左構えでは対戦を避けられることを嫌い右構えスタイルにしていたこと。
フレイジャーが64年もしくは65年頃から左目が不自由だったこと。つまりプロ生活のほとんどを左目が不自由なまま過ごしたこと。
マニラでの戦いの直後、アリがフレイジャーjr.に父親への数々の罵詈雑言を詫びたこと。
今まであまり知られていない事実が新証言で明らかにされていきます。


90年製作のビデオ「チャンピオン伝説」ではスリラー・イン・マニラでのエピソードを楽しそうに語っていた両雄でしたが、この番組ではフレイジャーのアリへの愛と憎悪が色濃く出ていますねえ。
現在パーキンソン病に苦しむアリに「やりたいようにやって来た奴はみんな同じだ。後でそのつけを払わされる。若い頃にやっちまったことの始末は死ぬまでにつけておかなきゃならん。当たり前だろ?そういうもんだ。奴がしたことを神様は見逃さない」と言っていたのが印象的でした。

どちらかが命を落とす危険すらあったマニラでの灼熱の死闘。
もう一度フルラウンドで観たいものです。

このDVDでも買いますか。3万円以上するけど・・・。