岩波文庫「血の婚礼」


「血の婚礼」の文庫本を読んでみました。
舞台とは一部人物設定が違います。少女(尾上紫)は娘たち(3人)、黒い男(新納慎也)は乞食の老婆だったりします。
台詞の細かいところはけっこう違うような・・・。舞台の台本を手がけた白井晃さんはこの本を一切読まずに翻訳作業を行ったんでしょうねきっと。

たとえばこの濃厚シーンでのソニンさんの台詞「あなたを見てると体の中が熱く燃えてくる」が本の中では「あなたを見ていると鼓動し、ささやく血管の青い枝をへし折りたくなる」となります。
岩波文庫流のお堅い文章より白井さんのほうがリアリティがあるかも。
岩波文庫を手にしたのは何年ぶりだろうか。学生時代ある人からヘーゲルの「精神哲学」を読めと言われ、買ったはいいが何を書いているのかチンプンカンプンで全く理解できず、必死に本と格闘するもついに挫折!それ以来僕にとって岩波文庫は恐怖の対象になってしまいました。
しかしこの本は戯曲(台本)なので活字が少なく、1時間ほどで読破できます。